初心者が学ぶアートの楽しみ方(その2)
この記事は、アートの楽しみ方を知りたい方々向けです。
私自身はアートについては全くの初心者ですが、専門家が書いた本の特徴や学びをご紹介します!
目次
本の概要
改めて、今回ご紹介するのはこちらの本です。
題名 | アート鑑賞、超入門! 7つの視点 |
---|---|
作者 | 藤田令伊さん |
出版年 | 2015年1月 |
ページ数 | 203ページ |
価格 | 720円+税 |
学べること | アートを味わうための批判的見方 |
わかりやすくアート鑑賞の楽しみ方を教えてくれる本で、初心者の私も楽しみながら読むことができました。
ちなみに、前回の記事で『アート鑑賞BOOK』という別の本を紹介しています。
大まかにご説明すると、
-
挿入画が多い
-
画家やアートディーラーにまつわるエピソードが多い
-
アートを楽しむための視点が多い
のは、『アート鑑賞BOOK』です。
一方、
-
問い(=読み手に考えさせる内容)が多い
-
アート教育の観点もある
のが今回ご紹介する『アート鑑賞、超入門!』です。
アートを見る力を鍛えたい方にはこちらをお勧めします。
『アート鑑賞、超入門!』
では、ここから本の特徴や、読んで学んだポイントをお伝えします。
特徴
本の特徴は、先ほどご紹介した2点です。
- 問い(=読み手に考えさせる内容)が多い
-
アート教育の観点もある
① 問いが多い
本はモノクロ印刷で、作品の画像はそれほど多くありません。
ただ、絵が挿入された部分では、その絵を見て何に気づくか、どう感じるか、といったことを問われます。
正直なところ、私にとっては考えるのが少し面倒な問いもありました。
ただ、頭をひねることで「そうだったのか」と気づきを得られますし、何より「これだけ考えると1枚の画からも多くのことを学べる」ことを発見できます。
鑑賞力を身につける実戦練習として、活用することができる本です。
② アート教育の観点もある
日米間のアート教育の差についても述べられています。
日本では作者や題名についての知識を身につけること、または現実のものを描くことに焦点があてられます。
一方、アメリカでは鑑賞に関する問題も出されるそうです。
例えばアメリカだと「この自画像の特徴はなんですか」「特徴と、表現されていることの間にはどんな関係がありますか」といった“考えさせる”問いになっているのだそうです。
面白そうに見えますが、日本の国語の入試問題のような「正解がある」問われ方をすると、自由な見方ができなくなる恐れもありますね…
ちなみにアメリカで行われた2008年の研究では、アートを積極的に教育に取り入れている学校の方が、SAT(アメリカの大学入学に必要な、共通テストの一種)の得点が高いことが報告されてるそうです。
前に統計学を学んだ身としては、第三の変数が隠れているのではないかと、穿った見方もしてしまいますが…
他にもアートの効用として、本書では
- 気分転換
- 集中力アップ
- 「気づき」の想起
- 他者への「寄り添い」の醸成
などを掲げています。(一部抜粋)
学んだこと
ここでは、私が一番勉強になった「感性的見方を鍛える方法」をお伝えします。
鍛え方の前に、そもそも感性的見方とは何かを簡単にご説明します。
感性的見方とは、知性的見方の極にある存在で、それぞれの特徴は下記のようにまとめられます。
- 感性的見方
イメージや感性を司る右脳で行う
例)絵を見て、あたたかくて少し懐かしい印象があると感じること
- 知性的見方
論理的思考を司る左脳で行う
例)絵の中のピラミッド型の構図はルネサンス様式の典型で安定と調和を示すと理解すること
右脳・左脳というキーワードが出てきました。
現代人は左脳を使う生活が主になっており、右脳を使う機会が少なくなっています。
しかし、危険を察知する能力を持つ右脳がなければ、人類は生き延びられなかっただろうと筆者は言います。
つまり、人間が生きるためには、この2つはどちらも重要ということです。
アート鑑賞においても、右脳を使う感性的見方と、左脳を使う知性的見方の両方を活用することで深みが増します。
筆者おすすめの鑑賞方法は、まず館内全体をぐるっと見渡し、直感的に「気になる」作品を選ぶことです。
全てをしっかりと見ていては、前半で疲れてしまいます。
そのため、まず作品の全体像を眺め、何か心に響いたものをじっくりと見るといいそうです。
複数あるものから直感で気になるものを選ぶ際に、右脳を活用できます。
続いて、選んだ作品を深く見ていきます。
ここで、一つの作品を例に練習してみましょう。
作品に対して、あなたはどんな感じを受けますか。
少し踏みとどまって、よく見て、考えてからスクロールしていただくと、きっと気づきを得られます!
どうか面倒くさがらずにやってみてくださいね。
ちなみにこちらの作品は、ジョルジュ・スーラーの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』という作品です。
タイトルは知らなくても、絵を見たことのある方は多いでしょう。
本書で紹介されている絵画とは異なりますが、題材として良さそうなので選んでみました。
なお本では、クロード・モネの『チャリング・クロス橋とテムズ川』という作品をモノクロで見て、イメージを問うていました。
興味のある方は見てみてください。
さあ、そろそろ感性的見方ができましたか。
<下へ>
続いて、下の修飾語リストを読んでみてください。
清々しい 寒々しい 懐かしい 寂しい 神秘的 薄汚い 輝かしい ほこりっぽい 暑苦しい 瑞々しい 暗い 穏やかな 崇高な 静かな 賑やかな やぼったい 明るい 活発な 深みのある 落ち着いた モダンな 古臭い 悲しい 上品な
先ほど見た作品のイメージに当てはまるものはありますか?
複数選んでも構いませんし、ここから連想した別の言葉を使ってもいいので、もう一度作品に対してどのように感じるか、回答してみてください。
修飾語リストを見たあとの方が、見方の幅が広がったのではないでしょうか。
様々な修飾語を与えられることで、自分の奥の方にしまい込まれていて、即座に出てこなかった感性を引き出すことができます。
このように、絵画を見て、今まで自分の手前になかった感性を引き出すことを繰り返して、感性的な見方を鍛えられるそうです。
皆さんもぜひやってみてください!
ちなみに私はメモ帳に修飾語を書き込んで、作品とメモを見比べながら美術館に行くことにしました。
以上が、本のご紹介です。
実際の本はこちらから確認できます↓
最後に
今回は、鑑賞方法を学べる本、第2弾をご紹介しました。
よろしければ第1弾の『アート鑑賞BOOK』もご覧ください。
リンクは下方
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました!
自己投資残金
9月の残予算:21,000円
今回購入したもの:アート鑑賞法を学ぶ本2冊
今回使ったお金:1,870円
残りの予算:19,130円
私は毎月テーマと予算を決めて自己投資しています。
今月のテーマはアート、予算は21,000円です。
このブログをお読みいただいた方には、こちらの記事もどうぞ。