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令和の大学生にちょっと役立つ『人は見た目が9割』

人は見た目が100パーセント』というタイトルの漫画・ドラマの知名度が高いであろう令和の大学生に、「人は見た目が9割だよ」という話をしたところで大した衝撃がないかもしれませんが、今回は、タイトルそのまま『人は見た目が9割』という本についてお伝えします。

 

改めて考えてみると、人が与える情報の9割に相当する「見た目」って大事な要素な気がしませんか?正確には、見た目以外に「声」も9割に含まれるのですが。

今回はこの本をおすすめする読者層と本の内容、私が得た学びをまとめます。

 

本記事の目次

 

こんな人におすすめ

この本を読んでほしいのは、下の疑問に共感できる人です!

  • 同じことを話していても、意見が通る人と通らない人がいるのはどうして?
  • なぜ就活のときは画一的なブラックスーツで、テンプレ的な髪型・メイクなの?
  • 騙されないように注意すべきことって何?
  • 嘘ってどうやったらバレる?
  • どうして漫画はあんなに引き込まれるの?
  • なぜ日本人は自分の意見を伝えるのが下手と言われるの?
  • どうしてマナーってこんなに複雑で面倒なの?覚える必要ある? 

 

これらの謎を解く鍵として共通している
ノンバーバル・コミュニケーション
について書いているのが、この『人は見た目が9割』という本なんです。

 

そのため、上の質問リストに対して「そういえばどうしてなんだろう?」と思った人や、常日頃疑問を抱えている人は、本を読むことでヒントが得られるはずです。

 

また、人の習慣や、認知する・イメージを持つ性質について多方面にわたって書いてあるので、単純に雑学を知りたいと思っている人にもおすすめです。

 

 

本の概要

改めて、今回ご紹介する本はこちらです。

題名 人は見た目が9割(リンク先はAmazonです)
作者 竹内一郎さん(劇作・マンガ原作・舞台演出・教授)
出版年 2005年(初版)
ページ数 191ページ
価格 680円+税

 

本書の内容を「専門的か一般的か」×「理解する目的か実践する目的か」の2軸でプロットすると図のようになりました。

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理解寄り

この本は、特に何らかノウハウを示してくれるわけではありません。

ただ、見た目や匂いなど印象を左右する要素について

  • こういうことが分かっているよ
  • この背景・理由にはこういったことがあるよ

 といった知識を伝えてくれます。

 

得られる知識は身近なものがほとんどなので、自分で少し工夫を加えれば実生活で使うことも可能です。

例えば男性が女性に対して嘘をつくときは相手の目を見るようにしてみる、など。

 

一般的

特に専門性の高いことが書いてあるような、難しい本ではありません。

この本の「見た目」が新書であるため、かしこまった印象を受けますが、
実際には読みやすい文体ですし、マンガについて解説する章では挿入画も多いためイメージしながらスラスラッと読むことができます。

 

 

学んだこと

ここでは、私自身が特に勉強になった点をお伝えします。

本の要約ではなく、あくまで一部分のご紹介です。

 

①話す内容の影響力は7%

初めに、ノンバーバル・コミュニケーションの意味と影響力を解説します。

補足:そもそもバーバルとは「言語的な」という意味の英語であり、ノンバーバルは「非言語的な」を意味します。

ノンバーバル・コミュニケーションは、言葉で語ること以外の、ありとあらゆる情報伝達のことを指します。

 

言葉以外の情報には、話者の態度や表情を含みます。

例えば、同じ「ごめんなさい」という言葉でも、腕を組んで舌打ちしながら投げやりに言われるのと、眉尻や口角を下げてから深々と頭を下げて言われるのでは、受け手の印象は大きく異なるでしょう。

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このように、発せられた言葉の内容以外の、他者から受け取る膨大な情報のことをノンバーバル・コミュニケーションと呼びます。

では、この「言葉以外の要素」が受け手の印象にどのくらいの影響を与えるのでしょうか。

 

アメリカの心理学者アルバード・マレービアン博士によると、
人が他人から受け取る情報の割合は、

  • 顔の表情…55%
  • 声の質(高低)、大きさ、テンポ…38%
  • 話す言葉の内容…7%

だそうです。

 

ちなみに本のタイトル『人は見た目が9割』のうちの9割という数字は、7%の「話す言葉の内容」を除いた93%をが元になっているものと思われます。

 

 

②騙されやすいシチュエーション

続いて、ノンバーバルのメッセージは、常に一人から発せられるのではなく、集団や環境からも発せられていることを示します。

 

ここでは、特に大学1〜2年生に知っておいてほしい「人が騙されやすいシチュエーション」をご紹介します。

事前に知っておくことで、実際にその場面に遭遇したときに「あれ?もしかしてこれって…」と一瞬でも立ち止まるきっかけを作ってくれます。

 

そのシチュエーションとは、「サクラが3人以上いる場面」です。

3人いると受け手は「偶然ではない」と思うそうです。

 

例えば、道を歩いていて周りの人が空を見上げていたら、「何があるんだろう?」と釣られて空を見てしまうことがありませんか?

アメリカの心理学者ミリグラムはニューヨークでビルを見上げるサクラを用意し、釣られて空を見る人の関連を調査したそうです。

その結果、サクラが2-3人になると釣られて空を見上げる人の数が急速に増え、5人以上で8割の人が見上げることがわかったそうです。

 

このように人は、誰かが「ビルの最上階で火事だ!」などと叫ばなくても、周りの人たちの行動で「何かあるに違いない」と思うようになります。

上を見上げる人のイラスト(男性)

同じ心理を利用した有名な詐欺のテクニックに「競輪時計」があります。

詐欺師は競輪場近くの路上で時計を売っているのですが、実は3-4人のサクラ仲間がいて、彼らが客になりすまして時計を物色するフリをするのです。

すると通行人は「何かいい物があるのだろうか」と興味をそそられるという仕組みです。

 

大学生で集団詐欺をするケースは少ないと信じたいですし、私も詐欺には遭遇しませんでしたが、学生だと

  • 先輩がすすめる株知名度が低いもの)を周りのクラスメート2〜3人が買うと言っている
  • サークルの同期が他の同期にコスメを安く売っていて「あなたもどう?」と言われた

などの場合には十分注意が必要でしょう。

 

 

③面倒なマナーの意味 

最後に、マナーと称されるノンバーバルな行動・気遣いについて解説します。

就活中の大学3-4年生など、マナーが面倒で複雑なものと思っている人にこそ読んでいただきたいです。

 

よくある誤解:マナーは「相手」や「御社」への忠誠心を示すためにある。

本の内容:マナーはスムーズなコミュニケーションを取れるよう合理的に設計されているもの。

 

具体的に、お客をエレベーターに案内する場面でご紹介します。

この際の正解マナーはこちらです。

「お先に失礼します」といって自分が先に乗り、「開」のボタンを押す。「どうぞ」と声をかけ、客をエレベーターに招き入れる。(参照:人は見た目が9割)

  

自分の行動を分解すると、

  1. 「お先に失礼します」と声をかける
  2. 自分が先にエレベーターに乗る
  3. 「開」のボタンを押す
  4. 客に対し「どうぞ」と声をかける

の4つに分けられます。

 

それぞれの行動が持つ意味と、行動がなかった場合に起こりうる可能性を整理すると、下表のようになります。 

  行動 意味 行動がない場合
1 「お先に失礼します」と声をかける 時間の無駄を省く エレベーターのドアが開いた瞬間、誰が先に入るべきか躊躇する時間が発生する
2 自分が先にエレベーターに乗る 安全であることを伝える -
3 「開」のボタンを押す 相手に確実にエレベーターに乗ってもらう 相手がもたついている間にドアが閉まる可能性がある
4 客に対し「どうぞ」と声をかける 客と他の人の折衝、時間の無駄を省く 他の人が客と同時に乗ろうとすると、肩と肩がぶつかる可能性や躊躇・逡巡が起こる

 

行動がない場合を見てみると、行動に隠れた意味が見えてくるのではないでしょうか。

このようにマナーの意味を読み解いてみると、面倒に思っていた行動も少し腑に落ちるかもしれません。

 

 

以上が、本を読んで私が勉強になったことの一部でした。

冒頭に挙げた他の質問への答えが気になる人はぜひ読んでみてください。

 

  • 同じことを話していても、意見が通る人と通らない人がいるのはどうして?
  • 嘘ってどうやったらバレる?
  • どうして漫画はあんなに引き込まれるの?
  • なぜ日本人は自分の意見を伝えるのが下手と言われるの?

 

本はこちらから確認できます↓ 

人は見た目が9割 (新潮新書)

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感想

今回、人の印象を決めるものを知りたくてこの本を読んでみました。

雑学的な知識が身についたのと、これまで何となく受け入れてきたものの理由を知るきっかけになりました。

 

就活でみんながブラックスーツを着るのは

  • (ブラックスーツ以外が少数派な中で)常識的な人間です
  • (スーツを着ることによって)仕事ができる人間です
  • (額を出すヘアセットによって)清潔感があり、取引先からも好印象を得られます

といったノンバーバルなイメージを示すためなのかもしれません。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

自己投資残金

8月の残予算:19,350円
今回購入したもの:「人は見た目が9割」
今回使ったお金:748円
残りの予算:18,602円

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筆者は毎月、テーマを決めて月収の1割を自分に投資しブログにまとめています。
8月のテーマは読書です。

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