【要約】自分の小さな「箱」から脱出する方法
人間関係や、最近うまくいっていないなぁと思うモヤモヤを解消してくれる『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読みました。
今回はこの本をおすすめする読者と本の内容(一部)、私が得た学びをまとめます。
本記事の目次
こんな人におすすめ
この本を読んでほしいのは、
- 人間関係に悩む
- 「自分は優秀なのに、周りが足を引っ張っている」と思う
- 「周囲の環境が悪く、何かうまくいかない」とモヤモヤする
に1つでも当てはまる人、かつ
- 腰を据えて本と向き合う時間を作れる
人です。
時間が必要なのは、本が分厚いからではありません。
自分の行動を思い返しながら読むほうが、自分のためになるからです。
私が以前読んだときは心に響かず「大したことのない本だ」と思いました。
昔は本の内容にきちんと向き合えなかったためです。
改めて読み返したことで、本の教えが胸に響きました。
丁寧に向き合ってこそ、新たな発見や学びがある本だと思います。
本の概要
改めて、今回ご紹介する本はこちらです。
題名 | 自分の小さな「箱」から脱出する方法(リンク先はAmazonです) |
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作者 | アービンジャー・インスティチュート(組織) |
出版年 | 2006年 |
ページ数 | 280ページ |
価格 | 1600円+税 |
本書の内容を「専門的か一般的か」×「理解する目的か実践する目的か」の2軸でプロットして見ました。
一般的かつ理解重視
ストーリー仕立てで読みやすく、会社と家庭の板挟みになる登場人物たちに共感しながらページをめくりました。
実践的なテクニックというよりは、自分で噛み砕いて理解する内容です。
物語の進み方
物語は、一人の中途採用者が、転職先の役員から代々伝わる「講義」を受ける、という設定を中心に進行します。
講義を受ける中途採用者は、物語冒頭では、
- 仕事はこなすものの周囲に対するあたりが強い
結果的に周りから好意的に見られていない - 「自分は仕事を頑張っており、評価に値する」と思っている
- 「家庭はうまくいっていないが、それは妻や息子のせいだ」と考えている
といった人物として描かれます。
この中途採用者が「講義」に質問したり、「講義」の内容を実践したりして話が展開します。
「講義」の中には数多くのエピソードが用いられ、共感しやすい構成になっています。
学んだこと
ここでは、私自身が特に勉強になった点をお伝えします。
エッセンスだけを抽出しているので、少し結論が強引になっているかもしれません。
ブログを読んでみて「あまり納得できない」と思われた方は、実際の本を読んでみることをおすすめします。
人が「箱」に入るとき
本書では、心理学用語で “自己欺瞞”と呼ばれる状態を、「箱」に入っていると表現しています。
自己欺瞞に陥る、すなわち「箱」に入るとは、自分の見方が狭まって周りの世界が歪んで見える状態のことです。
本によると、人が「箱」に入るタイミングは決まっています。
それは、自分が他の人のためにすべきだと感じた行動に背くとき、つまり自分の考えを裏切ったときです。
一度箱に入ると、人は自分を正当化して他人を責める材料を探してしまいます。
「箱」が引き起こす問題
では、「箱」に入ると具体的にどのような問題が起こるのでしょう。
人は「箱」に入ると、
- 自分を過大評価し、他人を過小評価する
- コミュニケーションがうまくいかなくなる
- 本当にすべきことに集中できなくなる
- 自分の環境が特別悪く思える
といったことが起こります。
さらに、自分が「箱」に入るだけではありません。
「箱」の影響力は強く、まるで細菌のように自分にも他人にも被害を及ぼすのです。
例を用いて見てみましょう。
Aさんが「箱」に入っているとき、AさんからはBさんが歪んで見えており、Bさんに対して負の感情を抱いています。
その状態でBさんと接すると、負の感情がBさんにも伝わって、Bさんも箱に入れてしまうのです。
嫌味を言う、などは「箱」に入っている状態を示す典型例だと思います。
嫌味ほど露骨ではなくても、人は「ばかにされている」などの感覚に敏感なものです。
表面上は優しく振舞っていても、「自分が見下されている」と思ったら良い気はしません。
「箱」から脱出する方法
では、「箱」から脱出するにはどうすれば良いでしょう。
「箱」の中にいるまま他人を変えようと思っても、上手くはいきません。
他人の意思を自分で動かすことはできないからです。
本によると、「箱」から出るために必要なのは、まず「自分が間違っているかもしれない」と疑ってみることです。
そして誰かを人として心から尊重できるようになったら、「箱」の外に留まり続けられるように、他人に対してやったほうがいいと思っていることをなるべく実行します。
「箱」に入るきっかけは、他の人のためにすべきだと感じた行動に背くことなので、すべきだと感じた行動に背かず、素直にやり続けることで、「箱」の外に居続けられるという理論です。
人は「箱」に入っているとき、必ずしも全員をゆがんでみているわけではありません。
誰かに対して「箱」に入り、別の誰かに対して「箱」の外に出ていることができます。
そのため、少しでも「箱」の外にいるうちに、全員に対して「箱」から出られるようにしましょう。
以上が、本を読んで私が勉強になったことの一部でした。
本はこちらから確認できます↓
感想
冒頭にも書いたとおり、こちらの本を読むのは2回目です。
正直、当時はあまり良い印象はありませんでした。
ただ最近人間関係にちょっとモヤついたので、改めてこの本を手に取ってみました。
軽い気持ちで読んでみて、以前と違い内容に納得できたことに驚きました。
昔は他責思考の渦中にいて、「こんな本ロクでもない」「私ではなくあの人が悪いんだ」と思っていたからだと思います。
だからこそ、色々な方に「少し落ち着いて読めるタイミング」でこの本に出会っていただきたいと思っています。
このブログが少しでも本選びのきっかけになれたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!