提案力を磨く『ロジカル・プレゼンテーション』
論理的思考力や伝達力を少しでも身につけようと『ロジカル・プレゼンテーション』を読みました。
今回は、この本をおすすめする読者と、私が得た学び「論点とは何か」をまとめます。
本記事の目次
こんな人におすすめ
この本を読んでほしいのは、
- ビジネスで提案を通したい人(営業職、企画職など様々)
- 論理的思考力とは何かを学びたい学生
- コンサルティングの仕事について事前に勉強してみたい学生
などです。
以降のブログにて本の内容の一部をご紹介します。
本の概要
改めて、今回ご紹介する本はこちらです。
題名 | ロジカル・プレゼンテーション(リンク先はAmazonです) |
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作者 | 高田貴久さん(コンサルタント) |
出版年 | 2004年 |
ページ数 | 298ページ |
価格 | 1800円+税 |
本書の内容を「専門的か一般的か」×「理解する目的か実践する目的か」の2軸でプロットすると図のようになりました。
副題は、自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」です。
架空のコンサルティング事例を用いて具体例を示しながら、抽象的な視点でも「提案とは何か」を学べる構成となっています。
体系的に提案について学びたい方におすすめです。
学んだこと
ここでは、私自身が「特に勉強になった」と思う点をお伝えします。
提案の技術とは
著者によると、提案とは相手に「意思判断してもらう」ことを前提としています。
提案を通すためには、適切に考えて適切に伝える必要があります。
提案に必要な能力を分解すると、下図のようになります。
論点とは
今回は、仮説検証力に含まれる『論点』についてピックアップして解説します。
「論点を絞って」「今回の論点は」など、議論の場面で頻繁に使われるワードですが、具体的に「論点って何?」と問われると、説明に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
本書によると、論点とは「相手の意思判断に影響をおよぼす判断項目」のことです。
提案の場においては、
- 相手の意思判断に必要な判断項目をリストアップする
- リストに挙がった判断項目の中で、相手がまだ答えを持っておらず、答えを得ることによって意思判断に影響が出るものを探す
→この「答えを得ることによって意思判断に影響が出る」項目こそが論点! - 論点に合致した答えと理由を示すことが、適切な提案
と捉えることができます。
具体的に、提案において論点を活用できる事例を挙げてみます。
不動産屋として「通勤時間を短くしたい」と考えている顧客に物件を勧めるシーンを想像してみてください。
まず「通勤時間が短くなるか」を判断するために必要な項目を考えます。
前提として、電車か車か徒歩か、を確認しましょう。顧客が電車を想定しているとしたら、
- 物件から最寄り駅までの所要時間
- 電車の待ち時間
- 電車の乗車時間
- 降車駅からオフィスまでの所要時間
が判断項目と言えます。
その中から、相手が持っていない情報で、伝えることによって「通勤時間がいまの物件より短い」と思ってもらえそうなものを伝えましょう。
そのうち、物件Aは最寄り駅まで徒歩15分であっても、バスが頻繁に出ていて実質8分ほどで駅まで行けるのであれば、そのことを伝えて物件Aを勧めることができます。
また、物件Bの最寄り駅は電車が二本使え、オフィスまでルートが2つなのであれば「一本が遅延してももう一本で通勤することができ、ロスタイムを減らせる」などと伝えて物件Bを勧めることも良いでしょう。
この場合、物件から最寄り駅までの所要時間や、電車の乗車時間などが論点となります。
一方、キッチンが広い、スーパーが近い、などの情報は、この顧客にとっての論点にはなりません。
降車駅からオフィスまでの所要時間が自明で、短縮の余地がないのであれば、これも論点とは言えません。
論点を捉える方法
論点と提案力の関係を示したところで、具体的にどうしたら論点を捉えられるのか、をお伝えします。
この際、むしろ「論点を外す」パターンを知って、そのパターンに陥っていないか、一つ一つ確かめる方法が有効です。
論点を外す4つのパターンとその対策をまとめます。
パターン1つ目
そもそも相手が意思判断をするつもりがない(前提が共有できていない)
対策:話の際に「何を意思決定するのか/してほしいのか」を明確に伝える
パターン2つ目
自分が相手の要求を正しく理解できていない
対策:相手に何を求めているのか尋ね、自分が理解できているかを確かめる
パターン3つ目
相手の意思判断項目を考えられない
対策:MECEに洗い出す
そのためには、まず、言葉のレベル感(抽象度・場面・誰目線か)を揃えて全体を考える
続いて漏れやダブりがないか確認する
パターン4つ目
相手がすでに答えを持っている
対策:相手の知識量がどのくらいであるのか、できるだけ事前に確認する
この対策法によって、会議などでの「論点が噛み合わない」問題を防ぐことができます。
以上が、本を読んで私が勉強になったことの一部でした。
本はこちらから確認できます↓
感想
私は、もともと体系的に考えることと、考えをその場で簡潔に伝えることが苦手です。
そのため、今回は論理的思考力や伝達力を身につけたいと、こちらの本を読みました。
本を読んだだけで実践できるものではありませんが「そもそも提案とは何か」をロジカルに学ぶことができ、勉強になりました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
自己投資残金
8月の残予算:7,866円
今回購入したもの:「ロジカル・プレゼンテーション」
今回使ったお金:1,980円
残りの予算:5,886円
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筆者は毎月、テーマを決めて月収の1割を自分に投資しブログにまとめています。
8月のテーマは読書です。
rikeiol.hatenablog.jpーーーーーーーーーーーーーーー