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ウェブ解析士資格取得に必要な知識一覧

本記事では、ウェブマーケティングを勉強中の私が、

「ウェブ解析士の資格を取るには、具体的にどんな知識が必要なの?」

という問いにお答えします!

 

主にウェブ業界への就職・転職を検討し始めた方や、ウェブ解析士を受けようか迷っている人が「こういったことを勉強する必要があるんだ」と分かってもらえれば嬉しいです。

 

目次

 

はじめに、ウェブ解析士の資格取得の流れと、かかる金額を簡単にお伝えします。

 

1. 資格取得の流れ

まずは一般的な取得までの流れをご紹介します。

  1. 公式テキスト・問題集で事前に学習
    他のウェブ系の資格と異なり、公式以外からテキストや問題集は発行されていませんでした
  2. 認定講座を受講[任意]
    講師を選んで受講します
    オンラインでも受講可能で、講師によっては講義動画を共有し復習できるようにしてくれるそうです
  3. 認定試験を受験
    こちらも会場ではなくオンラインで受験できます(日時の選択肢も多いです)
    また、教材持ち込みも可能です
  4. (合格の場合)認定レポートまたはGoogleアナリティクス講座修了証を提出

 

講座・試験ともにオンラインで受験できる点が、このご時世ありがたいですね。

コロナによる外出自粛の影響を受けずに資格を取得できます。

 

なお、公式サイトでは目安学習時間について

  • ウェブ業界経験者…1か月〜1か月半(15〜25時間)
  • ウェブ業界未経験者…2か月〜3か月(25〜40時間)

と書かれています。

 

 

2. 資格取得にかかるお金

取得の流れでご紹介したステップのうち、お金がかかるものをまとめます。

  • 公式テキスト…4,400円
  • 問題集…2,497円
  • 認定講座…11,000円
  • 認定試験…17,600円[必須]
  • 認定試験(再試験)…12,100円 ※不合格だった場合のみ負担
  • Googleアナリティクス講座…22,000円

合計…69,597円(いずれも税込)

 

全て払うと7万円弱と結構高い出費になりますが、実はこのうち必ず費用が発生するのは認定講座のみです。

 

他は任意で
既に知識がある人、身近に先生がいる人→準備用のテキスト・問題集・認定講座が不要、
一発で合格した場合→再試験が不要、
試験合格後、レポートを提出する人→Googleアナリティクス講座が不要、
となります。

 

私は、テキストと問題集(計6,897円)を購入して、独学で受験することにしました。

もちろん一発合格を目指していて、合格後もレポートを提出しようと思っているので、支払いは合計で24,497円の見込みです。 

これでも十分高いですが…泣、頑張ります!

 

 

3. 必要な知識

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では、ようやく本題の「ウェブ解析士を取得するために必要な知識」に入ります。

ここでは、公式テキストと問題集をベースに、どんなことを勉強するのか見ていきましょう。

 

テキストと問題集はどちらも全8章で構成されています。

各章のタイトルは

  1. ウェブ解析と基本的な指標
  2. 環境分析とKPI
  3. ウェブ解析の設計
  4. モデルごとのコンバージョン設計
  5. 露出効果の解析
  6. エンゲージメントと間接効果
  7. 自社サイトの解析
  8. レポーティング

となっています。

 

以降で、それぞれで学ぶことを詳しくご紹介します。

あえてアルファベットの略称を多く取り上げているので、これからウェブマーケティングを勉強される方は「この単語知らないな」と思ったら調べていただくと予習になると思います。

 

第1章 ウェブ解析と基本的な指標

最初の章ではウェブ解析の意義や解析士の仕事内容・進め方・守るべきルール、ウェブマーケティングやビジネスに関する基本指標について述べられています。

 

具体的に理解しておきたいポイントは、

  • ウェブ解析の範囲…ビジネス解析・ウェブマーケティング解析・アクセス解析を含む
  • 顧客体験(UX・UI・CX)の重要性
  • トリプルメディア(オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディア)の違い
  • 素早いPDCAサイクルの重要性
  • 法律・モラルの概要…アドフラウドの禁止など
  • リスク管理に関する諸々サイバー攻撃・パスワード・BCP・BCM・ITPなど
  • サイト表示の仕組み・ステータスコードの種類
  • 解析の視点…ディメンション・メトリクス・フィルタ・セグメント
  • オウンドメディアの指標や関連する言葉…ページビュー数・セッション数・直帰数・コンバージョン数・ランディングページなど
  • 広告に関する指標や関連する言葉…インプレッション・CPM・CPC・ROAS・ROIなど
  • ソーシャルメディアに関する指標や関連する言葉…いいね!・シェア・エンゲージメントなど
  • ビジネスに関する指標…売上高・売上原価・広告収入・変動費・固定費・販売管理など

などです。

 

全部で↑の8倍あると思うと案外多く見えますね…

 

ただ、試験はテキスト持ち込み可能なため全て覚える必要はありません。

各内容もそこまで深く掘り下げるわけではないので、あまり身構えなくて大丈夫です!

 

とは言え公式に合格点が発表されていないため、どのくらいの完成度で仕上げる必要があるのか分からないのが難点です…。

 

第2章 環境分析とKPI

続く章では、 マーケティングフレームワークを用いて市場を分析し、ウェブ解析の目標を立てるまでの一通りのビジネス用語を学びます。

 

  • ビジネスフレームワークの目的と分析対象
    …PEST分析・5フォース分析・3C分析・ペルソナ分析・カスタマージャーニーマップ・SWOT分析・二次元ポジショニングマップ・4P分析・4C分析・ビジネスモデルキャンバス
  • ブルーオーシャン戦略の概要・使われるフレームワーク
    …戦略キャンバス・PMSマップ・非顧客層3グループ・買い手の効用マップ・4つのアクション・6つの経路
  • ベンチマーキングの方法
  • マクロ解析とミクロ解析の違い・ミクロ解析の方法
  • 5つのウェブサイトモデルの違い
    …イーコマースサイト・リードジェネレーションサイト・メディアサイト・サポートサイト・アクティブユーザー
  • 目標(KGI・KSF・KPI)
  • ウェブサイトモデル別のKPI・事業計画(簡単な計算含む)
    …LTV・上限CPA・商談数・受注数・MAU・DAU・ARPU・ARPPUなど

 

特に事業計画では簡単な計算が発生するので、指標一つ一つの意味を理解しておく必要があります。

 

 

第3章 ウェブ解析の設計

ここから本格的にツールを導入して解析を行っていきます。内容もだいぶ盛りだくさんです。

 

  • 計画前の確認事項(ゴール・スコープ・関係者)・計画の流れ
  • 技術的環境の文書の種類・実装の流れ
    RFP・SDR・タグマネジメントツール実装指示書・サイト/システム設計書など
  • ウェブ解析の維持と改善で確認する項目
    …内部要因(サイトフロー・ウェブシステム変更・サーバー環境変更など)・外部要因(ウェブの環境の変化・法律や規則の変化)など
  • 広告の種類とそれぞれの測定設計(パラメーターの設定など)
    …純広告(クリック保証型・インプレッション保証型・期間保証型)・検索連動型広告・ディスプレイ広告・サーチターゲティング広告・リターゲティング広告など
  • アドテクノロジーの関連用語
    …アドネットワーク・アドエクスチェンジ・DSP /SSP・データエクスチェンジ・RTB・DMP・CDP
  • ソーシャルメディアの種類と運用方法
  • オーガニックサーチの種類と運用方法・解析方法
    Googleサーチコンソール・サイトマップカバレッジ
  • アクセス解析の種類とツール選定基準
    …サーバーログ方式・パケットキャプチャ方式・ウェブビーコン方式
  • IPアドレスCookieの仕組みと注意点
  • アクセス解析ツール
    Googleアナリティクス・Adobe Analytics・Matomo・Splunk
  • ファネルのそれぞれの意味
    …ランディングページ・回遊ページ・フォームページ・コンバージョンページ
  • タグマネジメントツールの機能
  • アプリにおける解析の考え方
  • 詳細の解析手法
    …マルチデバイス連携・ソーシャルログイン・外部データ連携・機器データ連携・IoT・SSL /TLS・AMPカスタム変数

 

第4章 モデルごとのコンバージョン設計

第2章で学んだ5つのウェブサイトモデルについて、より詳しく見ていきます。それぞれのビジネスを理解し、マーケティング戦略を考え、コンバージョン解析を設計します。

 

  • イーコマースに関わるビジネス
    …ファネル(訪問・商品一覧・商品詳細・カート・購入完了)・変動費(ロジスティックコストなど)・固定費(返品・クレーム対応費・商品登録作業費・バックヤードオペレーションコストなど)…など
  • リードジェネレーションサイトに関わるビジネス
    …リードナーチャリング・MA・インサイドセールス・ABM・BANT情報・SCOTSMAN情報
  • メディアに関わるビジネス
    …ページ/セッション・MAU・クエリ数・ダウンロード率・リピート率・コンテンツマーケティング・インバウンドマーケティング
  • サポートサイトに関わるビジネス
    …精読率・動画視聴数・アンケート結果・サイト内検索数・コールセンター受電数・FAQ・サポートコミュニティ・チャットボット・製販分離の原則
  • アクティブユーザーモデルに関わるビジネス
    サブスクリプション型・都度課金型・フェーズ別対策(リリース・初期・中期・後期)・AU・MAU・収益モデル(売り切り・使い放題・アプリ内広告)別KPI

 

第5章 露出効果の解析

この章では、掲載した広告やメディアが「どのくらい見られているか」を示す結果と、結果を踏まえた改善方法について書かれています。

『解析』の核の部分にあたりますね。

 

  • 広告・検索エンジン・メール・ソーシャルメディアの露出効果の測定方法
    …リクエストベース・OTSベース・ビューアブルインプレッション・メディアレポート・アドサーバーレポート・広告効果測定システム・クローラー管理ツール・パラメーター
  • 広告の指標と選ぶ際の注意点
    …インプレッション効果・トラフィック効果・レスポンス効果・オーディエンスターゲット・コンテンツターゲット・フリークエンシー
  • 広告の種類とオーディエンス・目的別使い分け
    …ディスプレイ広告・ソーシャルメディア広告・検索連動型広告・動画広告
  • 動画広告の広告手法と効果測定に関わる指標
  • 広告効果改善の計画立案方法(簡単な計算含む)
    例:ケースが示されROASを○%にするためにCVRは何%にする必要があるか
  • メールマーケティングの指標と改善計画立案方法(簡単な計算含む)
    …リスト数・不達率・配信数・スパム率・到達率・レピュテーションスコアなど
  • ソーシャルメディア・オーガニックサーチ・アプリ・動画における露出効果の確かめ方・指標

 

第6章 エンゲージメントと間接効果

続く章では、広告効果の中でも特に顧客体験に関連するエンゲージメントと、広告を見て後々購入するなどの間接効果について、またソーシャルメディアの活用方法など、第5章に関連する周辺の内容を扱います。

 

  • エンゲージメントの重要性と行動モデル・評価指標
    SIPSモデル・DECAXモデル・NPS・ブランドリフト・サーチリフト
  • エンゲージメントを高めやすい広告の種類
    …ネイティブ広告・デジタルPR活動。インフルエンサーマーケティング
  • 広告の間接効果の種類
    …ビュースルーコンバージョン・アシストコンバージョン・アトリビューション分析(ラストクリック・リニア・ファーストクリック)
  • ソーシャルメディアの種類・活用方法・解析指標
  • サーチ(自然検索)のエンゲージメント解析方法
    …クエリのグルーピング・分析

 

第7章 自社サイトの解析

ようやく最後から2番目の章になりました。ここでは、自社サイト(オウンドメディア)を解析し、 どのように改善するかを考えていきます。

 

  • サイト内のページの構造と役割
    …ランディングページ・回遊ページ・フォームページ・コンバージョンページ
  • リファラー内の情報とチャネルの種類
    …Direct・Organic Search・Social・Referral・Other(Display・Affiliates・Paid Search・Email・Other Advertising)
  • インタラクション解析の種類
    …イベントトラッキング・ヒートマップツール(クリックヒートマップ・アテンションヒートマップ・スクロール到達率・精読率とヒートマップ)・アイトラッキングニューロマーケティング
  • ウェブサイトの最適化(LPO・EFO)の方法
  • 解析ツールによる指標(セッション数など)の算出方法の違い
  • サイト内広告の仕組みと収益化のための改善手法
    アフィリエイト広告・クリック報酬型広告・YouTube広告
  • Googleマイビジネスの概要

 

第8章 レポーティング

最後に、施策の効果をレポートにまとめます。効果をきちんと伝えてこそ、次の仕事に繋がるからです。

 

  • ウェブ解析レポートの種類・意義
    アクセス解析レポート・広告効果測定レポート・ソーシャルメディア解析レポート・検索エンジン解析レポート・SEO指示書・ユーザビリティヒューリスティック調査レポート・ユーザーアンケート調査レポート・ベンチマーク解析レポート・ミクロ解析レポート
  • レポート作成方法…ロジックツリー・MECE
  • 表とグラフの種類
    …単純集計・クロス集計・棒グラフ・折れ線グラフ・面グラフ・円グラフ・100%積み上げ棒グラフ・散布図・バブルチャート・2軸グラフ・レーダーチャート・スパークライン・カラースケール
  • レポーティングツールの種類・できること
  • 統計の基礎
    …平均値・中央値・最頻値・分散・標準偏差相関係数・差の検定など

 

最終章はウェブ解析に限定した知識もありますが、表とグラフの種類や統計の基礎はウェブ分野に関わらず触れている人も多いと思います。

 

長くなりましたが、以上が「ウェブ解析士取得までに身につけるべき知識」の全体像です!

 

 

4. 最後に

今回はウェブ解析士に合格するために必要な知識を細かくお伝えしました。

 

ざっと読んでみて、どの言葉も意味がわかり、指標の計算もできるようであれば、ウェブ解析士の勉強をせずに一発受験に挑戦してもいいかもしれません。

 

詳細の部分は、抽象⇔具体のレベルが異なりますが、用語をみて理解度を確かめる用に使っていただければと思います。

 

また、公式テキストを買わないと「何を勉強したらいいか分からない」「具体的な内容が見えない」といったお悩みを少しでも解決できていれば、書いた甲斐があったなぁと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

自己投資残金

7月の残予算:23,194円
今回購入したもの:ウェブ解析士公式テキスト・試験問題集・認定試験
今回使ったお金:24,497円(4,400円・2,497円・17,600円いずれも税込)
残りの予算:-1,303円

認定試験にお金がかかり、今月は若干予算オーバーとなりました… 

 

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筆者は毎月、テーマを決めて月収の1割を自分に投資しブログを書いています。
7月のテーマはwebマーケティングです。

詳しい記事はこちら↓

rikeiol.hatenablog.jp

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