『ときに川は橋となる』『おさなごころを、きみに』展の概要・感想
ちょうど開催していたのはこちらの企画展です。
- オラファー・エリアソン『ときに川は橋となる』展
- 『おさなごころを、きみに』展
展示概要をまとめ、一部作品をご紹介しながらおすすめポイントと感想、考えたことを思うままに綴ります。
どちらも面白かったです!
目次
展示概要
題名:オラファー・エリアソン ときに川は橋となる/おさなごころを、きみに
日程:2020年6月9日〜2020年9月27日
開館:10:00-18:00(入場は17:30まで)
※予約不要
展示内容:
『ときに川は橋となる』
オラファー・エリアソンが企画するインスタレーション、過去プロジェクトの写真など
そもそもオラファー・エリアソンさんは、気候変動という社会課題にアートを介して向き合っている方だそうです。
インスタレーションでは、視覚や触覚、頭を使って楽しめる体験ができます。
さらに、鮮やかな展示はインスタ映えする写真スポットでもあります。
『おさなごころを、きみに』
親子で楽しめる、おさなごころを体験する、テーマの元に集結した多岐にわたる作品群
展示の小テーマは、触覚・身体・音と言葉・忘却・宇宙など様々。
携わるクリエイター・アーティストも様々で、表現方法も鑑賞・音・実際に触れられるインタラクティブな作品など、多様に揃います。
所要時間:90-120分 + 待ち時間
2回に分けて来館したのですが、チケット購入待ちに列ができていて、金曜日15時ごろは待ち時間10分、土曜日15時ごろは待ち時間20分でした。
『ときに川は橋となる』展のみ、入場待ちにも列があり、金曜日は10分・土曜日は20分ほどでした。
おすすめポイント
展示作品をご紹介しながら、両展示の魅力的なポイントをご紹介します。
直感的に楽しめる
今回の展示内容は、視覚的にも楽しく、また聴覚や触覚などを使って楽しめる内容でした。
『ときに川は橋となる』展から具体的な作品をご紹介します。
作品例1つ目
タイトル『太陽の中心への探索』
この展示では、区切られたスペースの中央に電球と、それを覆うガラス(と思われる素材)の多面体が浮いています。
角度によって色が変わる多面体の色や形を見つめたり、床や壁に反射する鮮やかな色を眺めたりするのが楽しかったです。
作品例2つ目
タイトル『あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること』
こちらでは、壁に影が投影されていました。
一人に対して色が異なるいくつもの影ができ、動く方向によって影の色や大きさが変わります。
ぼやけたような影は、見ていて不思議で、優しい色味が心地よかったです。
続いて、『おさなごころを、きみに』展からも楽しい作品をご紹介します。
作品例1つ目
タイトル『P055E5510N』
画像は暗くなってしまったのですが、実はこちらゲームです。
人型のアイコンがたくさん上下左右に動いている中、一つだけ自分がコントローラーで操作できるアイコンがあります。
この操作できるアイコンを見つけ出し、ゴール(旗)に辿り着く、というルールです。
やってみると案外難しかったです。
たくさんのアイコンが動いているがゆえに、自分の操作しているアイコンがどれなのか、中々見つかりません…。
シンプルながら、楽しいゲームになっていました。
作品2つ目
(写真は撮り忘れました…)
タイトル『MADD.作品集』
こちらは短編動画をたくさん詰めたもので、どんどんシーンやテーマが変わります。
8K動画なので、鮮やかな色が特徴的でした。
東京の観光スポットを固定カメラで撮った様子や、虫の動画、不思議に動く模様(昔、視力に効くと流行った3Dアイみたいなもの)など、様々な動画が流れていきます。
一部動画のBGMには、サザンオールスターズの『東京VICTORY』が使われており、聴覚でもワクワクするような、郷愁的な(テーマの「おさなごころ」にぴったりな)感じを受けました。
頭を使って楽しめる
先ほど、直感的に楽しいということをお伝えしました。
一方で、展示の意味・背景を考えたり、仕組みを考えたりするのが楽しい内容でした。
こちらも例を示してご説明します。
最初に紹介した『太陽の中心への探索』を取り上げてみると、綺麗だと感じる反面、「作者は何を伝えたいんだろう」と思考するのが面白かったです。
ここでは既にネタバレしてしまったのですが、私はこの作品をタイトルを見ないで鑑賞していて、
- 多面体は角度によって左右対称にもなるし、左右非対称にもなっているんだ
- 中の電球はいくつあるんだろうか?一つじゃなさそうだ
- 光が反射する様子が太陽みたいだ
- 現代のように電灯やスマホなど人工的な光が身近でなかったら、この光が太陽のような、神のような存在に感じるのではないか
などと考えていました。
後でタイトルを見て「太陽」というキーワードがあることに少し感動しました。
このように「自分は何を感じるのか」「作品はどんなものか」を考えてみると、発見があって面白かったです。
簡単な解説を書いた紙も配布されているのですが、あえて受け取らずに展示に飛び込んでみて、感じたことを捉える見方でも楽しめました。
作品2つ目に紹介した『あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること』の光源はこのようになっています。
異なる色のフィルムが一列に並べられていることによって、複数の影がぼんやり映る仕組みになっています。
この展示は、どのように動くとどのような影ができるのかを捉え、予想してから実際に動いてみました。
自分のいる場所によって見え方も異なる気がして、美しくも難しいような印象を受けました。
『おさなごころを、きみに』展も不思議で、意味を考えるのが楽しい展示ばかりでした。
先ほど示した『P055E5510N』は、自分とは何かを問うてくれる内容だそうです。
「〜だそうです」と書いたのは、自分で思いついたわけではなく解説に書いてあったからです。
人々の中のどこかに自分がいて、自分を探すという進め方も確かに哲学的な気がしてきます。
さらに、自分を見つけ出してゴール(旗)に辿り着いた瞬間、自分は姿を変えて別のアイコンになり、ゴールである旗も別の場所に移動してしまうのです。
自分とは何かを考えながら動くアイコンを見ていると、魂と身体が切り離されて、今の自分は身体(容れ物)に入っただけの存在に思えてきました…。
一瞬だけですが、そんな不思議な感覚を味わう機会も日常生活だと少ないので、美術館に行く醍醐味なのでしょう。
周りの鑑賞者も「よく分かんない」「こういうことかな?」と、思い思いに話していました。
まだ鑑賞初心者ですが、色々と考えさせてくれる展示は魅力的だと思います。
以上、東京都現代美術館に行って、私が感じたおすすめポイントでした!
公式サイトはこちら↓
感想
これまで美術館というものに縁がなかったのですが、行ってみると想定よりも多様な人がいて驚きました。
お年寄りばかりを想定していたので、同世代の若い人が多かったことが意外でした。
タイミングにもよるかもしれませんが、メイン客層は10代後半から30代くらい。
お年寄りや、親に連れられた赤ちゃんや小学生もチラホラ見かけられました。
訪れた東京都現代美術館は、建物自体の素材は重厚そうなのに、ガラス窓が大きく取られて前衛的?な形をしており、モダンな印象を受けました。
併設されているカフェは、鑑賞者ではない人でも利用できます。
市民に開けている感じがしていいですね。
美術館鑑賞は敷居が高いというイメージを持っていたのですが、いい意味で予想が裏切られ、気軽に楽しむことができました。
今後もこまめに展示内容をチェックし、興味があるものは積極的に訪れたいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
自己投資残金
9月の残予算:17,030円
今回購入したもの:チケット(2展示合わせて)
今回使ったお金:2,100円
残りの予算:14,930円